さて、このAVCHD規格で書きだしたメディアをPCで覗くと、フォルダ・ファイル構造が複雑になっています。確かに、ストリームのデータはMTSやM2TSといった拡張子で見つかるし、PCのメディアプレーヤーアプリでも直接再生できますが、このデータを別なメディアにバックアップしたとしても、例えばAVCHD対応のブルーレイHDDレコーダー等に食わせてもディレクトリ構造が違うので認識してくれなかったりします。

この記事では、AVCHD対応機器によって生成されたフォルダツリー内のMTSやM2TSのファイル単体から、AVCHDの構造を生成させて、ブルーレイHDDレコーダーから読み込ませるためのディスクを作成します。書き出し先はBD-REやDVD-R、SDカードなど自由に選択できますが、この例ではDVDに書き出すものとして説明します。必要に応じて読み替えていただければと思います。
ここでは、実験的にパナのDIGA DMR-BW900に読み込ませられるDVD-RWを作りました。
なお、ツールはすべてフリーのもので構成しています。
●準備物
・書き込みたい映像データのMTS/M2TSファイル
・Windows XP以降のPC
・DVD書き込みできるドライブ(マルチドライブ等)
・DVD-RまたはDVD-REディスク
準備1. multiAVCHDのインストール
multiAVCHDは、単体ストリームから一気にAVCHDに持って行ってくれるソフトです。まずはこれをセットアップします。
URLはこちら。http://multiavchd.deanbg.com/

準備2. avisynthのインストール
multiAVCHDを使用するうえで必要となるビデオデータの処理ツールです。
URLはこちら。 http://avisynth.org/mediawiki/Main_Page
Official Buildsをリンク先のSourceForgeからダウンロード・インストールします。
準備3. ImgBurnのインストール
DVDメディアのライティングソフトです。UDF2.5で書きだす必要があり、このツールは対応されていたので使用しました。その他のツールでもUDF2.5が使用出来れば問題無いかと思います。
URLはこちら。http://www.imgburn.com/

これで準備完了です。
では、早速やってみましょう。
1. multiAVCHDでAVCHD構造のツリーを作成する
1-1.ファイルの書き出し先設定とストリームの登録
まずは起動しますと、以下のような画面が出てきます。

左下にDestination Pathという項目があります。ここは生成されたデータを書きだすパスを指定します。
MTSファイルは画面左上の白い枠内にドラッグアンドドロップしていただければ入ります。入れた際、一つ一つ内容を書き人していくようなので、ファイル数が多いとそれなりに時間がかかるでしょう。
ファイルの順序が気に入らなければ、[up]、[down]ボタンで調整してください。
ここまで出来たら、画面右下の[Start]ボタンを押します。
1-2.書き出しタイプの選択と処理実行
[Start]ボタンが押されると、以下のダイアログが表示されます。

DVD-RWに書きこむので、今回はAVCHD for optical media (DVD R/RW or BD R/RE)内のAVCHD (strict)を選択しました。
USBメモリーやSDカード等に書き出す場合には、AVCHD for solid media (USB / SD / SDHC / MMC / MemoryStick)内の項目を選択するとよいでしょう。
あとは暫く待ちます。
Startボタンが再び押せる状態になったら終了です。
2. ImgBurnで書き込みする
2-1.ImgBurnにファイルを登録する
まず「1-2.の作業」でAVCHDとして書き出しされたフォルダを覗いてみます。
└─AVCHD
├─AVCHDTN
├─BDMV
│ ├─BACKUP
│ │ ├─CLIPINF
│ │ └─PLAYLIST
│ ├─CLIPINF
│ ├─PLAYLIST
│ └─STREAM
├─HDAVCTN
└─IISVPL
(上記は例であり、必ずしも完全に一致するとは限りませんのでご注意ください)
まずはAVCHDというフォルダが生成され、その下の階層にAVCHDTNやBDMVというフォルダが並んでいます。このAVCHDTNやBDMVがルートディレクトリとなるように、DVDライティングソフトに設定します。
まず、ImgBurnを起動します。
そして、エクスプローラーで、AVCHDTN、BDMV、HDAVCTN、IISVPLなどのフォルダをドラッグアンドドロップにて、ImgBurnのウィンドウ左上の白い枠内に入れます。すると以下のようになるかと思います。

2-2. 書き込みフォーマットの設定
画面右側のOptionsタブ内で、File SystemをUDFに、UDF Revisionを2.5に設定します。

あとは、メディアをセットしてライティング実行しましょう!
3. 完成!
あとはAVCHD対応の再生機器にセットしてテストしてみてください。
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